懐かしい町、文京区立森鷗外記念館へ
土曜日の午前中、キャピタルコーヒーさんでのコーヒー教室の帰り、白山まで歩いたところでこのまま帰るのが惜しくなった。
高1の夏まで過ごした、懐かしい街をもう少し歩きたくなり、ふと、新しくなった鷗外記念館に行ってみようと思った。
昔は図書館でもあった、よく通った場所だけど、数年前に通りかかった時は、昔の面影はなく、スタイリッシュな建物になっていた。
鷗外の作品は代表作しか知らないし、それも読んだことあるのは「舞姫」「山椒太夫」くらい、それも何十年前?のことだろう。
展示の中の、四季を描いたいくつかの作品の一節を読んで、すっと入ってくる明晰で美しい言葉に心ひかれるものを感じた。
映像コーナーでは、作家の平野啓一郎さんが、鷗外作品に影響を受けたこと、そして今の時代こそ、読まれるべきと語っていたことが印象的だった。
個人の力では抗おうとしても抗いきれないこと、どうしようもない中で生きていくこと、を鷗外は書いている。足ることを知る、諦念に至ることにつながるが、それが今の時代でも生きていくことの慰めになると。
たしかに、個人の意思を貫きたくても、それができない状況、どうにもならないことはあると、歳を重ねた今だから、しみじみと思う。
どんなにつらくても、それでも生きていかなきゃいけない。。
鷗外作品を読みたくなりました。
館内の「モリキネカフェ」も素敵です。
ドイツ風のスイーツ。
店内から庭園が望めます。
ちょっと暗いけど、色づいたイチョウが綺麗でした。