愛おしい日々〜みんなちがって、みんないい

金子みすゞさんの詩が好きです

もう戻れないけれど

母の背中にふれながら思った

こんなに小さくて丸い背中だったっけ?

肩幅も狭くなったような…

骨太でがっしりした体型だったのに

再び一緒に暮らし始めて8年くらいになるけれど

ずいぶんと心配や苦労をかけてしまっている

 

父が元気なころからずっと働きづめで

亡くなってからは看護師として40過ぎから三交代しながらバイトまでこなし、好きなゴルフも楽しんでいたタフな母。

息子が生まれた頃に体調崩したりしたけれど

75位まではダンスに水泳、カラオケとエンジョイしていた。

5年前に腸の手術をしてからは弱っていった。

今は腰の痛みであまり歩けないから、近所へ買い物と病院へ行くのがやっとだ。

一日中、座ってテレビを見たり、寝たり起きたり。

父と早くに死に別れて働きづめで、母は自分の人生をどう思っているんだろうか。

頑張って働き続けて私と弟を育て住むところも食べていくのにも困らないようにした母はすごいと思うし、尊敬している。

合わない部分も多く、さみしい思いもしたけれど、それはお互いさまなのかもとやっと思えるようになってきた。

つい最近まで恨みごとを口にして悲しませたりしては落ち込んだりしていた。だけど、残された時間を大切に過ごしていかないとね。

 

昔は情報も選択肢もうんと少なくて、そのかわりもっと時間がゆっくり流れてたように思う。

今はいまで、便利で楽しいことも増えたけれど、選択肢が多くて考える時間が長すぎて、密度の薄い時間があっと言うまに過ぎ去り、虚しいなと感じることが増えた。

 

それはたぶん、誰かのために何かをする喜び、がずいぶんと減ってしまったからだと思う。

それは自分だけの喜びよりもっと深く大きいものだから。